水中毒って知ってますか?

行き過ぎた水分摂取を行うと、嘔吐や痙攣、重症の場合は意識混濁を引き起こし、最悪死を招くことさえあります。日本の真夏の天候には水分補給ももちろん重要ですが、誤った方法では危険を招く場合があります。暖かい季節を迎える前に、適切な水分摂取について知っておきましょう。

アルコール依存症、多飲症、などの中毒症のひとつでありまだそこまで認知されていない中毒症でもあります。人間の身体は50%〜70%は水分と言われているので、水が身体に害のあるものになるとはなかなか想像つかないのかもしれません。

水中毒の恐ろしさを知ってどのように予防していけば良いのかを知りましょう。

代表的な症状

水中毒とは、過剰な水分摂取によって起こる中毒症状の事です。水分過多による細胞の膨張とナトリウムイオン濃度の低下により起こっています。その為、低ナトリウム血症(低Na血症)とも呼ばれます。

腎臓の利尿速度は最大で毎分16mlですが、これを超えて水分を摂取すると体内の水分バランスが崩れて細胞が膨張します。この膨張により身体がむくみ、症状が進行するとそのむくみが脳でまで引き起こり正常に脳信号を送ることが出来ずに呼吸困難を引き起こします。

また、体内に溜め込まれている水分が身体を冷やすため胃腸機能が低下する場合があります。

代表的な症状は意識混濁・頭痛・吐き気・嘔吐などです。段階としては、
•軽度の疲労感
•頭痛や嘔吐
•気分が不安定になり、神経過敏・注意散漫になる
•痙攣、昏睡
•呼吸困難

という順に重くなり、その症状の結果突然死亡するケースもある恐ろしい病気です。

水中毒の種類

水中毒には、急性の場合のものと慢性の場合のものがあります。

急性水中毒は、一時に多量の水を飲む事で起こる中毒です。急速に体内の水分バランスが変化し崩れた場合に起きる症状で、脳が腫れて呼吸のコントロールができなくなり死亡した例も報告されています。

慢性水中毒は慢性的に大量の水を飲む人に起こるもので、過剰な水分摂取に対抗するため、細胞への水の取り込みに関わる蛋白質であるAQP・AVPといった成分のバランスが変化し、低ナトリウム血症を起こすものです。お腹を叩いた時にちゃぷちゃぷ音がする方や、下腹部がぼっこり出た下半身太りの方、足にむくみがある方などは注意が必要です。

症状としてはどちらも大差なく、いずれの場合も突然死を起こす事があります。

水中毒の要因

水中毒は統合失調症の方に起こりやすいと言われています。次いで知的障害・発達障害などの方で起こりやすいものです。

喉の乾きの調整や、血漿の浸透圧の変化を感知する脳の部位に異常がある場合や、ストレス・環境変化によるものが多飲の理由の一つですが、抗精神病薬の副作用によって喉の乾きが起こり、その結果として多飲が起こる事も理由のひとつにあります。

精神科病院に入院している患者の10~20%に多飲が見られ、3~4%が水中毒の症状を示していると言われていますが、水を飲み過ぎるという症状が出る事を患者さんの周りの方があまり知らず、いつのまにか水中毒が進行した例もあるので注意が必要です。

特にこの統合失調症などの症状の発症者の水分補給には十分注意しましょう。水中毒の症状を発症する人は病的に水や飲料を摂取するので、目を離したすきに水道水を大量に飲んでこの様な症状が出ると言うケースが少なくありません。

まだそこまで認知されていない中毒症状なので軽視しがちですが、実際に視認が出ていることは確かなので、可能性のある危険な症状の一つとして保護する人は覚えておきましょう。

1日の摂取量

通常の飲水量は一日に3リットル未満とされています。これは、食べ物に含まれる水分を含まず、飲料として飲むものの目安量です。大体2リットル程度に抑えましょう。

また、下痢などひどい脱水症状の時にスポーツドリンクを飲むのは危険です。脱水症状が重度な場合、市販のスポーツドリンクではナトリウムの濃度が低いため、取り入れる事のできるナトリウムに対して水分量が多すぎ、低ナトリウム状態が促進されてしまいます。重症の場合はより濃度の高い経口補水液を用いるべきとされています。

水の飲み方

また、水分摂取の際はゆっくりと飲むのがよい飲み方です。一気にがぶ飲みするのは避けた方がよいと言われています。

かつては「喉が渇いたと自覚した時には既に脱水症状になっている」と言われていましたが、近年は喉が渇いたと思った時に飲めばよいというように指導が変化しています。

その他にも夏の暑い時期には冷たい冷えた水や飲料を飲みたくなりますが、冷たい状態の飲料を一気に飲んでも胃が腸に水を送るのをせき止めてしまうので長時間水が胃の中に溜まることになります。

これは、胃の中で一旦飲み物を温めて、腸を冷やしてしまわないようにする機能が備わっているからです。なので、出来れば水分補給の際は常温のもの、もしくは少し温めたもので摂取するとより効率よく水分が補給できるでしょう。

水中毒の症状自体は、体調不良や嘔吐など脱水症状に似た所がありますが、起こっている状況は全く逆なので、対策も真逆です。自分で判断せず病院で検査を受けるべきでしょう。

水中毒になってしまった場合の対策は、水分の排出を促す事しかありません。軽症の場合は水分制限をすれば数日で改善する事が多いとされていますが、重症の場合は呼吸困難などの対応をしなくてはならないため、気道の確保や呼吸や血圧の管理、痙攣の治療等が必要になります。

また、他の病気がある場合や薬を飲んでいる場合はそれぞれに合わせた対策が必要となり、いずれの場合も病院での治療が必要です。